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練習の心持ちを確認したクリニック [ライブレポ]

5月23日(土) 石森管楽器地下 Dave Pietro (as) and Jonathan Katz (pf) クリニック

Dave Pietro(As)  Jonathan Katz(Pf)
石森のブログにも5/23の項に内容がアップされています。

思えばこの7月末でサックスを習い始めて丸3年になるのですが、
楽器を演奏したり学んで行く心持ちを具体的に示されたことはほとんどありません。
「見て盗め」「聴いて学べ」的なものかも知れませんが、出遅れ大人としては言葉で言ってもらえたらと…。
そういう点でアメリカンなアプローチから再認識することが多く、行って良かったクリニックでした。

有料イベントだったので差し障りのないと思われる範囲で書きます。
追記するつもりでメモ書きのままおいていたのですが、このまま公開してしまいます。
読みにくいと思いますがご容赦ください。

まず3曲の演奏あり。とにかく音が美しい♪


次にクリニック。楽器歴7年以下の人がほとんどだったので初中級の内容となりました。

【1】ジャズ・ボキャブラリーを増やすには(練習方法)

1.テクニックの習得
・一番大事なもの、それはなによりも sound  どんな超絶技巧でも sound がダメだと台無し
・ハイレベルな演奏を繰り返し聴き、それが自分の一部になるように internalize する
・facility の練習も必要 small excercises, licks, transcribed solos

2. Transcription の重要性 耳コピ
・ジャズの語彙を増やすのに必須 自分の演奏をtranscribe するのも良いアイディア
・"Amazing SlowDowner"(リンク参照)などソフトの活用 (白熊堂もたまに使いますが良いソフトだと思います)

・とにかく聴く!そして反復練習!practice は meditation と共通したものがある
・knowledge には intellectual なものと experience によるものがあることを認識する

3. レパートリーを増やす
・まず「好きな1曲」をできるだけたくさんのバージョンで聴く いろいろな奏者、楽器、歌
・10曲を1バージョンずつ、よりも1曲を10バージョンで

・ここで実際に3通りの演奏をしてくれました:
「All The Things You Are」 
As+pfで7/4拍子(これが良かった!)、4/4拍子、Pietro氏のピアノと歌!
この曲は現在レッスンで課題曲(この話はまた後日)なので自分としてはおおっ!と嬉しかったです。

・曲をlearn するには1本道ではなく multiple avenues であることをよく認識すること

・異なった視点を持つ:
melody
form
chord progression
lyrics (歌の場合)
different keys

・練習するときは必ず creative になり、「新しいことをやる」のを好きになること。
・退屈するのは自分が悪い!練習室にいるから練習しているとは限らない。
・「嫌いな曲」はその曲が嫌いなのではなく、下手に演奏する自分が嫌いなケースも多い…。

・practice 左脳、goal をもって conscious なeffort
・play 右脳、creative だが unconscious な部分も多い

【2】 スケール、コードについて
1. Scale syllabus
2. Chord guide

スケールやコードの構成音を良く知る
他の楽器奏者やヴォーカリストと互いにlearn できること、特にハーモニーを大事にする

【3】 アーティキュレーション 具体的に(この辺は省略します)

「All The Things~」ソロ譜の一部をホワイトボードに書き出し、
楽器持参の人は実際に演奏して練習

メロディラインを大事にすることを強調されました
ジャズ的な雰囲気を出すためか scoop しゃくって吹く人が多かったのでそれも注意されていました


さてこうして書いてしまうとアタリマエなことも多いのですが、言われることがあまりにも心当たりのあることが多く、
繰り返しになりますがまとめて聞けたのは整理にもなって得ることが多かったです。

内容的に良かったのははもちろんですが、「教える」のもやはり経験と才能だと思いました。
ちょっと大げさに言えば、受講者に覚悟と希望を持たせる教え方はなかなかできないですね。
近道はない!(^.^) 道は長く遠そうですががんばって練習します(^^)v

実はこのあとの6月1日に赤坂Bbでこの方たちのライブがあったのですが、
都合でどうしても行けず、これは残念でした。
また次回開催の可能性もありそうです。

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Fukuchan

白熊堂さん:
いやぁ、素晴らしい内容を上手にまとめていらっしゃいますね。
こういうセミナーは、参加者の姿勢によって解釈が異なってきますが
本質を語ったセミナーに参加されて、羨ましいです。
願わくば、美しい音を聴きたかったです。
ありがとうございました。

by Fukuchan (2009-06-18 12:54) 

anne

こんばんは♪

セミナーお疲れ様でした。
楽器も持参だったんですか?(石森さんのブログ拝見しました)
内容のまとめ方、いつもお上手!ちょっぴりAB型のかほりが・・(笑)

>出遅れ大人としては言葉で言ってもらえたらと…。

この部分を、上手く埋めて貰らえるセミナーだったようですね。
私も、そうなんですよね・・。
(結構、この部分でレッスン時間食ってしまいます 苦笑)
by anne (2009-06-19 01:25) 

白熊堂

Fukuchan さん

nice!とすてきなコメントありがとうございます。

もう少し読み物的に補おうと思っていたのですが、
結局メモ書きのままで失礼しました…。
日本だから-アメリカだから-ということもないのですが、
やはりポジティブな姿勢を失わないことが大事だとつくづく思います。
自分の日々の歩みがあまりにも遅いので、
たまにこういう話を聞くとある意味ほっとします(^^ゞ

>願わくば、美しい音を聴きたかったです。
そうなんですよね、
その方のポリシーはやはり音にも反映されると思いますし。
石森でもちょこっとあげてくれると良いんですけれど。
また来年もあるかも?という話みたいですので期待したいです。

by 白熊堂 (2009-06-19 09:38) 

白熊堂

anne さん おはようございます♪
ABB型(笑)の白熊堂です。

nice!とコメントありがとうございます。

楽器持参可を知らなくて持って行かなかったんです。
まあ、クリニックなのでそういう展開があるはずなのに(^^ゞ

「言葉で」って、先生と生徒の間合いが大事ですよね。
白熊堂はあまり説明が多いとまたうるさく感じてしまうし厄介です!

以前の先生は「よくわかんないうちにできていた」なんて言う方でした。
人一倍努力型の方ですが、「自分もできなかった」ことが言えるのが
教える側のベースだと思うんです。

あっ、これって愚痴?(笑) 
つまり方向性を示しながら、たまにはポジティブにハゲまして欲しい、
と言いたかったわけで。

by 白熊堂 (2009-06-19 09:45) 

アルト

素晴らしいレポありがとうございます。
実際に音を聞きたかったなぁ…

>一番大事なもの、それはなによりも sound
ここにつきるんですよね…どのプレーヤーも口をそろえて言っています。
今習っている先生も同様で、ずーっとサウンドメイクのレッスンしています。

by アルト (2009-06-19 10:42) 

白熊堂

アルトさん こんばんは。

>実際に音を聞きたかったなぁ…

そうですよね。美しいけれど太さやイマドキ感もある音でした。
参考にクラッシック曲の一部分も吹いてくれたのですが、
これもまた良かったです。来年に期待したいです。

>今習っている先生も同様で、ずーっとサウンドメイクのレッスンしています。
そうなんですか!うらやましいです…。
ある時期腰を据えてやるのって大事ですよね。

by 白熊堂 (2009-06-19 23:45) 

邪頭亭

「見て盗め」、「聴いて学べ」と言ったら、むしろジャズの正攻法では!?(笑)

僕も川嶋さんのライブの時は、ザ・アメリカンウェイを地で行かせていただきました。(笑)

一連の耳学習のせいもあって、最近テーマは凄く一生懸命練習するようになりました。やっぱり、テーマって大切ですよね。
by 邪頭亭 (2009-06-20 05:45) 

るなそる

おはようございます♪
素晴らしいレポートをありがとうございます♪

>そういう点でアメリカンなアプローチから再認識することが多く、行って良かったクリニックでした。

"アメリカン"なアプローチ…これって日本とは少し違うみたいですよね。
私も以前習っていた先生方と現在の先生では教え方に少し差異があるなと思ってます。
白熊堂さんが素晴らしくまとめられた内容、大いに頷いちゃいました。

残念ながらこういったクリニックは受講したことがないのですが、以前入っていたBig BandのライブゲストにTbのBill Watrous氏やAsのRichie Cole氏がいらしたことがありました。
リハ時にご指導いただいたわけですが、教え方・教えるポイントなど、誰もをやる気にさせ、アドバイスの後の自分達の演奏が格段に良くなったのが十分に分かったほどです。

>内容的に良かったのははもちろんですが、「教える」のもやはり経験と才能だと思いました。
>ちょっと大げさに言えば、受講者に覚悟と希望を持たせる教え方はなかなかできないですね。
>近道はない!(^.^) 道は長く遠そうですががんばって練習します(^^)v

同感です~。
…ため息が出ちゃいますが、やらなければ進まないんですもんね。
元気なうちに頑張らないといけませんよね(ToT)
眠気に負け続けてますが、私もガンバリマス…。
by るなそる (2009-06-20 07:53) 

白熊堂

邪頭亭さん

>「見て盗め」、「聴いて学べ」と言ったら、むしろジャズの正攻法では!?(笑)

確かにそうなんですけれど、白熊堂のレベルでは「そもそも何を聴くか、見るか」のレベルなんですよね。これまでのようにライブに行って漫然と聴くならそれでも良いかもしれないし、観客としてはその姿勢を継続してしまいそうです。

ですが、レッスンなどの場ではちょっとした糸口がないと…。フォーカスポイントと言ったら良いでしょうか。音楽に限らず、自然にできていると思ってしいることでも、やはり最初は方向付けがあった思います。こういうクリニックでも謙虚に聞くと得るものがとても多い気がしました。これで少しやってみて「盗む」に進級したいものです(^.^)
by 白熊堂 (2009-06-20 10:51) 

白熊堂

るなそるさん

nice!とコメントありがとうございます。

楽器歴○十年のるなそるさんにとってはアタリマエのことばかりだと思うのですが、白熊堂にはこういう話をまとめて聞けるありがたい機会でした。

>リハ時にご指導いただいたわけですが、教え方・教えるポイントなど、誰もをやる気にさせ、アドバイスの後の自分達の演奏が格段に良くなったのが十分に分かったほどです。

そーなんです、コレです!同じやるなら…ってところですよね。
日本は割に「職人芸」「感覚」みたいなところに重きをおくというか…。
それも大事ではあるのですが、初中級だと「こうすればこうなる」的に基本レベルをクリアしないと次に進めない気がします。そのためにはるなそるさんが書かれたような「やる気」からつながるものが必要なのでは、と。

最近疲れて脱力気味だったのですが、そんなわけで少し復活してみたりしました(笑)

by 白熊堂 (2009-06-20 10:59) 

うらら

こんにちは♪

うぉー。素晴らしいレポートです。
こんな風に講義ノートをとってくれる学生がいると知れば、
講義する側もウレシくなることでしょう。^^

>「嫌いな曲」はその曲が嫌いなのではなく、下手に演奏する自分が嫌いなケースも多い…。

爆笑(^^;)。
演奏したい曲(できそうな曲)と、聴くのが好きな曲が、結構違う自分です。まさにここに原因があるのかも。

>・practice 左脳、goal をもって conscious なeffort
・play 右脳、creative だが unconscious な部分も多い

脳の話題はやっぱ食いつきます。^^
右脳はある意味人生経験の全て+音楽経験の全て、でしょ。
せめて左脳から何とかしていきたいと思う今日この頃です。

アメリカンな教育スタイルの「手取り足取り」は
おっしゃる通り、初級中級では価値が大きい気がします。

by うらら (2009-06-20 18:48) 

白熊堂

うららさん

>うぉー。 ←久しぶりにいただいて嬉しいです~(笑)

もっといろんな話があっって、受講者も皆身に覚えがあり…。
下を向いて大苦笑、みたいな場面が多かったです。

>演奏したい曲(できそうな曲)と、聴くのが好きな曲が、結構違う自分です。まさにここに原因があるのかも。

あ、これはありますね!
洋服と和服で似合う色が違うみたいな? いやちょっと違うか…。

脳の使い分け、意識すると面白いと思います。
要は左右間のブリッジをしっかり作ること??

アメリカ的マニュアル教育もあなどれないんですよね。
ゴルフを習っていたとき痛感しました。
こうしてああして→なんかカッコわる~→あらボールがまっすぐ飛ぶ!みたいに(笑)
by 白熊堂 (2009-06-21 00:33) 

fion

白熊堂さん、 こんばんは~♪

すっかりご無沙汰してしまってすみませんっ。
クリニックの内容、大変参考になりました。

>退屈するのは自分が悪い!
これ、納得です。 基礎練習をおろそかにしてはならぬことを
わかってるのについつい・・・。 普通の曲をやってしまうと
エチュードにときめきを感じなくなったり(笑)。

練習の積み重ねの大事さを痛感しています。
このところ週一のレッスンくらいしか音を出してなかったので
ひどい状態なのです。 落ち込むくらい。。。
これを打破するにはとにかく練習しかないので、
レポートを読み返してがんばります! 
by fion (2009-07-06 22:27) 

白熊堂

fionさ~ん
こんなに遅くなってのお返事でごめんなさい!
ブログも書かないとなんとなくそのままになってしまい…。
週1回の更新は守ろうと思います…と思います…(笑)

練習、大事ですよね。
実のある練習方法というか、短時間集中「これだけは」みたいなメニュー、
決定的なのがあったら良いのにね。反復も大事だとは思いながら
「効率」を求めてしまうオトナであります(笑)

レッスンでエチュードをやっていらっしゃるのはうらやましいです。

by 白熊堂 (2009-07-22 00:55) 

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